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【プレゼントあり】空高く、想像力を広げよう!

2012年10月1日 16:38 | 約7分で読めます
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「おおきな きが ほしい」ぶん・さとうさとる/え・むらかみつとむ
5歳~

「木の上の家」にあこがれたことはありませんか?これは、「木の上の家」にあこがれたことのある、いえ、今もあこがれている、子どもも大人も、大満足できる絵本なのです。

あるひ、‘かおる’は「おおきな きが ほしい」と思います。

なぜって、それは・・・聞いてあげてください。

‘かおる’の想像力は、小さな木が、だんだん大きく伸びていくように、どんどん天に向かってふくらんでいきます。読み進めるうちに、いつの間にか、あなたも「木の上の家」を楽しんでいることでしょう。いいえ、あたしだったら、ぼくだったら、ああして、こうして・・・!ともっと想像がふくらんじゃうかもしれません。

‘かおる’のおおきな、木の上に作られた、家には、春、夏、秋、冬、それぞれの季節がこと細かに描写されていて、本当にそこにあるようです。

さあ、かおるが ほしい おおきな き。 想像だけでは、終わりませんよ!

 

小さい頃、特技は「木登り!」と言っていたくらい、木登りが大好きでした。

2年前、そんなことを思い出して、「木の上の家」、ツリーハウスの絵本を描きました。

こんなツリーハウス、あんなツリーハウスがあったら楽しいだろうなって、まさにこの絵本に出てくる‘かおる’みたいに想像しながら。

自分だけのスペースって、子どもも、大人もあこがれますよね。

私も子どもの頃、姉と同じ部屋で、自分だけの部屋が欲しくてたまりませんでした。しばらくして、2段ベッドで部屋を二つに仕切って、小さいながらも自分だけの空間が出来たときは嬉しくて、あれこれ工夫して楽しんだものです。

そんな場所が、木の上にあったら! なんて贅沢で素敵なことでしょう。

普通ならきっと、木の板を幹に渡しただけだったり、やっと人ひとりが入れるくらいの小屋のようなものでしょう。でも、ここは、‘かおる’の想像の世界なのです。どんどんいっちゃいます。なんでもOKなのです。この絵本に出てくる「木の家」では、ホットケーキが作れたり(ちゃんと台所があるのです!)、ベッドルームがあったり、‘かおる’の描いた絵が額付きで(それも季節ごとに変わるのです)飾ってあります。小さくて、まだ、はしごを登れないかもしれない妹のために、滑車のついた引き揚げ用のかごもついています。

冬には、つららが窓からさがって、ストーブまで備えられています。ここで宿題なんかもしちゃいます。

子どもにとって、この夢のような「木の家」にも、この世界でのリアリティーさがちゃんと備わっているのです。例えば、台所はプロパンガスだったりね。えんとつも、ちゃんとついていますよ。そして何より、危なくないように、はしごも幹にしっかり紐で、くくりつけてあるのです!

こんな木の上でどうやってホットケーキを焼くのかな、けむりはどうするのかな、こんな高い木に、立てかけられたはしごは、危なくないのかな、小さな妹のかよちゃんは、はしごをのぼれるのかな・・・。そんな疑問を抱くことなく、私たちは安心して‘かおる’の想像の世界で一緒に遊ぶことができるのです。絵本といえども、その世界観を充分に楽しむために、こうした一見どうでもよいようなことも、とても大事なのです。

ちょっと話はそれるかもしれませんが、アウシュヴィッツでの収容所の生活を描いた「夜と霧」という名著があります。悲惨な収容所の中であっても、生きる喜びを、目的を見出すことによって(想像することによって)生き延びることができた、という心理学的にも有名な本です。それ程、想像力が人間にもたらすものは、はかりしれないのです。

この絵本も、‘かおる’が、おおきなきにはしごをつけました。どんどん登っておうちを作りました。台所も作ってホットケーキを焼きました。それでも充分楽しいのかもしれませんね。でも、さとう さとるさんは、そうしなかった。あえて、そこを‘かおる‘の想像だけで表現したところに、とても意味があるように思うのです。

そして、想像の世界から帰ってきた‘かおる’は、それを夢で終わらせずに、夢につなげる行動をとるのです。そう、おうちの庭に、やがて、おおきな木になるであろう、「まてばしい」の木の苗を植えるのです。「木の上の家」を実現するために。

もしかしたら、僕にも私にも、絵本の中のような、大きな木を、「木の上の家」を、持つことができるかもれない。そんな希望を与えます。

そして、このタイトル。「おおきな きが ほしい」。なんとも、素直な直球なタイトルではありませんか。この絵本を読み終わったとき、きっと心底そう、つぶやいちゃうと思います。「ああ、おおきな きが ほしい!」って。

 

★木がでてくるおすすめ絵本★

「木はいいなあ」
ジャニス=メイ=ユードリー著/マーク=シーモント絵
木ってほんとにいいものだなあと、改めて感じる絵本です。

「のぼっちゃう」 八木田宣子さく/太田大八・え
のぼっちゃうのですよ!どんどん!太田大八さんの、のびのびした絵がぴったりです。

「木のうた」 イエラ・マリさく
文字のない、グラフィカルな絵が魅力の1冊。

「大きな木のような人」 いせひでこ作
少し大人むけかもしれませんが、良い絵本です。

「森にめぐるいのち」 片山令子・文/姉崎一馬・写真
写真絵本です。美しい文と美しい森の写真にマイナスイオンを感じます。

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読まなくなった不要な本、またはもう読まないけれど捨てられない大切な本を地域のために役立てたいとの思いから、2007年より茅ヶ崎にて活動を開始。本をこよなく愛するスタッフで構成されており、本というものは読み終わった後に捨ててしまう、売ってしまうといった、たんなる消費物ではないと信じて活動しています。
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ホームページ:http://www.npo-sba.com

Filed in: あの子の絵本箱

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文:

1978年生まれ。茅ヶ崎に育つ。 大学時代に死生学に興味を持つ。セツ・モードセミナー卒業。 パレットクラブ絵本コース卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」「チャブックス」に参加。 2005年より、個展等にて作品を発表。第7回逗子市手作り絵本コンクール「優秀賞」受賞。 『てがみぼうやのゆくところ』にて、第35回講談社絵本新人賞受賞。本作がデビュー作となる。 加藤晶子ホームページ「アトリエメクル」 http://atelier-mekuru.com 「てがみぼうやのゆくところ」加藤晶子作 講談社 定価1300円(税別) 書店、amazon等にて販売中

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