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【プレゼントあり】動物写真絵本の先駆け 1歳〜

2013年3月1日 14:09 | 約10分で読めます
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二ひきのこぐま

二ひきのこぐま
イーラ作/こぐま社

なんとも愛らしい2匹の子ぐまのモノクロ写真でお話ははじまります。
おかあさんぐまは、はちみつを取りに行っている間、遠くへいくんじゃないよと言いきかせますが、2匹は夢中になって遊んでいる間に迷子になってしまいます。
おかあさんに会いたい一心で、初めて池を渡る2匹。そこで出会ういろいろな動物たちに自分たちのおかあさんを見なかったか、聞いて歩きます。
しまいには、言うことを聞かないからだとカラスにしかられる始末・・・。
おかあさんを見つけられない2匹は、すっかりくたびれて、草むらで寝てしまいます。2匹が目をあけると、そこには・・・。最後はおかあさんに見つけてもらって一安心。

 

古典的なストーリーですが、この2匹の子ぐまのしぐさ、表情がなんとも言えずかわいく、どんどんとお話に引き込まれていきます。どうやって撮ったのだろう?!と思わされるほど、文賞と写真が合っています。かわいいだけでなくそこはやはり、子ぐまといっても野生なのですね。子ぐまたちのひとみはかわいいながらも、野性味と緊張感があってそこがまた魅力です。また全編モノクロであるところが、より想像力をかきたてるとともに、不思議なことにより光を感じます。子ぐまたちに降り注ぐ温かな春の光。穏やかな日だまり。芸術的なアングルでとてもセンスのある絵本なので、一生持っていたい1冊です。

プレゼント

 

絵本をもっとめくってみる

この絵本を作ったイーラという女性の本名はカミーラ・コフラー。もともとは彫刻家の彼女は、パリで自活のため写真の修正師として働き、第2次世界大戦をきっかけにニューヨークへ。そこで動物の専門スタジオを開きます。
動物写真の先駆けとして活躍した女性です。この他にも動物の写真絵本をいくつか出版していますが、彼女自身で文も手がけたのはこの絵本だけです。

 

と、ここまでが私がいろいろ調べてわかったことなのですが、どのようにしてこのような写真が撮られたのかまではわかりませんでした。

 

この絵本は50年以上前に作られた絵本ですが、日本では1990年に「こぐま社」から発行されています。
そこで、日本で出版を手がけた会社であれば、もっとこの絵本について何か知っているのではないか・・・と思い、だめもとで問い合わせをしてみたところ、とても快くご丁寧なお返事をいただけました。

 

ちょうどこの頃25周年を迎えようとしていたこぐま社では何か記念出版をすることになり、こぐま社ということもあって、この「二ひきのこぐま」が選ばれたとのこと。創業者の佐藤英和氏がこの絵本が大好きで、フランス語版を社員の方に以前から見せていたそうです。

 

* ちなみに「こぐま社」と創業者の佐藤氏の若い頃からのあだながくまちゃんだったからそうですよ!大きくてノソッとした感じの方みたいです(笑)

 

ただ問題がひとつあったようで、『この絵本はグラビア印刷だったのです。日本では、美術書を印刷するようなタイプのグラビア印刷は当時すでにすっかり廃れていて、オフセット(平版)全盛でしたから、刷ってくれるところを見つけるのが大変でしたし、今は刷れなくなって、最近の版はオフセットの二色掛(墨とグレー)になっています。』とのことでした。
ちなみにプレゼントさせていただく絵本は1997年発行の物。
これは、グラビア印刷です。

 

それから、イーラという写真家については当時からあまり資料がなかったようですが、この絵本を作るために、本当に2匹の子ぐまと暮らして、写真を撮ったということと、その後何冊かの絵本を出し、そして、インドで、撮影中に、牛車から転落して亡くなったらしいということも教えていただきました。

 

本当に2匹の子ぐまと暮らしたからこその、臨場感あふれる写真だったのですね。撮影方法の細かいことはわかりませんでしたが、本当に2匹の子ぐまと暮らしていたということや、日本でこの絵本がどのようにして出版されることになったのかエピソードを知ることができて、私にとっても特別な1冊となりました。
絵本は作る過程はもちろんのこと、その後、時代とともに変わっていく印刷技術や紙、また海外の絵本を出版するということにも、いろいろな方が心血を注いで、多くの子どもたちの手に届いているものなのですね。

 

今回、快くお返事を下さった「こぐま社」の方にもこの場を借りてお礼を申し上げます。これでまた一人この絵本のファンが増えてくれるに違いありません。

 

ところで、これは、子ぐまたちが迷子になってしまい、最後にはお母さんとちゃんと会えたよという、それだけのお話ですが、子どもたちには等身大のお話として感情移入しやすい絵本だと思います。
ちなみに私は、とても頻繁に迷子になる子どもだったようで、気がつくと母の手を離れ、お店のお姉さんと話こんでいるなんてことはしばしば。(笑) しまいには、あんまり迷子になるので、猫の顔の形をした小さな小さな革のポーチに住所と名前を書いた紙を入れたもの(迷子札)を首からさげさせられていました。(笑)

 

この純真な子ぐまたちと違って、常習犯だったので、自分が迷子になったなんて気はさらさらなかった気がしますが・・・。
いえ、この子ぐまたちも絵本の最後では反省したような顔をしていますが、
その後はわかりませんね。お母さんと離れて一度は心細い思いをしつつも、ちょっとした冒険気分も味わったに違いないのですから。子ぐまたちのその後を想像しながら読むのもおもしろいかもしれません。

 

マーガレット・ワイズ・ブラウンの有名な絵本で※1「The Runaway bunny」(邦題:ぼくにげちゃうよ)というのがありますが、これはお母さんうさぎからうさぎの子がどんどん逃げて行くお話。子うさぎが魚に岩にと変身して逃げても、お母さんうさぎもさらに上をゆくものに変身して、子うさぎを捕まえてしまいます。どんなに逃げてもおかあさんはちゃんと見つけてくれる。子うさぎはそれをわかっていて、安心して?逃げるのかもしれません。

 

安心して逃げられる?迷子になれる(冒険できる)子ども時代というのは
一種の幸せの象徴だと思います。
この「二ひきのこぐま」も最後はあ〜よかったと終わります。お子さんと一緒にこの絵本で、幸せな時間を過ごして下さいね。

 

絵本バックナンバー

 

動物写真家Yllaの写真絵本

ねむいねむいちいさなライオン

せかいをみにいったアヒル


上記のイーラの写真絵本の文はマーガレット・ワイズ・ブラウン。

85枚の猫


あの動物写真家、岩合光昭さんの教科書のひとつらしい。

 

その他の写真絵本

わたしのろば ベンジャミン


1968年スイス 女の子とろばの交流を描いた名作写真絵本

イエペはぼうしがだいすき (日本の創作絵本)


日本人の写真家です。100個以上帽子を持っているという帽子大好きなイエペくんは、一体どんな子なのでしょう?!

The Red Balloon


写真絵本にした1冊。ここに出てくる男の子はラモリス監督の実の息子です。映画もとっても良いですよ!私は数年前、短観映画を主に上映するシアトル銀座で再上映したものを観ました!同じお話を岩崎ちひろが水彩で描いている絵本もあります。

 

※1 文中の絵本「The Runaway bunny」邦題:ぼくにげちゃうよ
   マーガレットワイズブラウン著 /クレメント・ハード絵

 

プレゼント

 

NPO法人セカンドブックアーチ

NPO法人セカンドブックアーチについて

読まなくなった不要な本、またはもう読まないけれど捨てられない大切な本を地域のために役立てたいとの思いから、2007年より茅ヶ崎にて活動を開始。本をこよなく愛するスタッフで構成されており、本というものは読み終わった後に捨ててしまう、売ってしまうといった、たんなる消費物ではないと信じて活動しています。
寄付可能な本は、児童書・単行本・古書・各種参考書など様々。詳しくはホームページをご覧ください。

ホームページ:http://www.npo-sba.com

Filed in: あの子の絵本箱

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文:

1978年生まれ。茅ヶ崎に育つ。 大学時代に死生学に興味を持つ。セツ・モードセミナー卒業。 パレットクラブ絵本コース卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」「チャブックス」に参加。 2005年より、個展等にて作品を発表。第7回逗子市手作り絵本コンクール「優秀賞」受賞。 『てがみぼうやのゆくところ』にて、第35回講談社絵本新人賞受賞。本作がデビュー作となる。 加藤晶子ホームページ「アトリエメクル」 http://atelier-mekuru.com 「てがみぼうやのゆくところ」加藤晶子作 講談社 定価1300円(税別) 書店、amazon等にて販売中

このページに関するつぶやき(1ツイート

  1. 【絵本プレゼント】茅ヶ崎在住絵本作家akiさんの「えほんをめくろう♪」が更新されました。3月のレビューはイーラ作「二ひきのこぐま」です。これからやってくる春にピッタリの作品です。

    プレゼント締切は3月20日(水)まで!

    http://t.co/soDjEdL89u

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