「五感で楽しむはじめてのえほん」0歳~ お年玉企画!2冊セットでプレゼント
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「みる」・「きく」 ヘレン・オクセンバリー さく 童話館出版
「みる」
ページを開くと左にちょうちょ、右ページにはそれを見て手を伸ばす男の子の絵。
左のページはまずある物の絵と名前、右ページはそれを見ている絵という構成で続いていきます。
「きく」
ページを開くと鳥の絵、右ページにはその鳥が鳴いているのを聞いている男の子の絵。
左のページは「みる」と同様、ある物の絵と名前、右ページはそれが発する音を聞いている絵という構成で続いていきます。
「みる」も「きく」も文章はありませんが、赤ちゃん達の身の回りのもので構成されているので、はじめての絵本としてお母さんが赤ちゃんに語りかけながら読み進めてあげられます。
おもしろいことも、びっくりするようなことも起きませんが、この頃の赤ちゃんには1つの物を「みる」1つの音を「きく」というのは大きな事象です。「みる」ことも「きく」ことも本来、1つ1つと向き合った小さな丁寧な積み重ねなのですね。
小さめサイズで厚紙の角丸で丈夫に作られているので繰り返し読むにも最適です。ヘレン・オクセンバリーの柔らかい色使いの絵は品もよく、ずっと持っていたいシリーズです。
今回プレゼントさせていただく2冊は絵本を提供して下さっているセカンドブックアーチさんからずっとお預かりしていた絵本です。というのも、赤ちゃん絵本は手がけるのも難しいですが、レビューを書くのも中々難しいものです。
この絵本を今回プレゼント絵本に選ばせていただいたのには先日、編集者の方から面白い話を聞いたからでした。
それは「点字絵本」の製作過程とその出来映えの話でした。もちろん知っていらっしゃる方も沢山いらっしゃると思いますが、点字絵本は文章が点字なだけでなく、絵の部分も点字(突起)で表現されているのです。
驚くべきことにあの名作「ぐりとぐら」も2013 年に点字絵本になっています。ぐりとぐらの違いは服のもようで表現されており、凹凸をさわってねずみや他の動物の形を認識します。もちろん、ストーリーのある絵本の絵を点字で表現するというのは製本上も、技術上も沢山の問題があったようですが、沢山の方の熱意と努力で、誰もが知っている「ぐりとぐら」を目の見える人も、見えない人も、見えづらい人も共有できるというのは素晴らしいですね。
そして目の見える人もこの点字絵本を読むことで(特に大人)はちゃんと絵を読み、新しい発見があるのではないかと思うのです。目が見えて文字が読める人こそ絵を読んでいないのかもしれません。
「みる」「きく」「さわる」こういった五感に触れる絵本が赤ちゃん絵本にはよく見られますが、その延長に点字絵本がしいては、目の見えない人の為の点字絵本がそこを超えて多くの人の五感に触れる絵本につながるように感じます。
今年の1月に出版された「さわるめいろ」という絵本は秀逸です。迷路の道に点字が打ってあるのでその点字を指で触りながら進んで行くのです。点字がなくなったと思ったら間違えた道なので戻ってまた点字の道を探して進みます。目の見える方も目をつむってたどって楽しめる新しい迷路絵本です。
しかしながら多くの方の豊かな発想と技術を駆使しても、まだまだ少ない点字絵本。赤ちゃん絵本をめくりながら絵本とは何なのだろうかと改めて考えてしまいました。点字絵本を読んだ事のない方も是非ぜひ、お手にとって楽しんでみて下さい。
★ヘレン・オクセンバリーのはじめての赤ちゃんえほんシリーズ★
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★点字絵本★
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NPO法人セカンドブックアーチについて
読まなくなった不要な本、またはもう読まないけれど捨てられない大切な本を地域のために役立てたいとの思いから、2007年より茅ヶ崎にて活動を開始。本をこよなく愛するスタッフで構成されており、本というものは読み終わった後に捨ててしまう、売ってしまうといった、たんなる消費物ではないと信じて活動しています。
寄付可能な本は、児童書・単行本・古書・各種参考書など様々。詳しくはホームページをご覧ください。
ホームページ:http://www.npo-sba.com