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【プレゼントあり】友達が欲しくなったら

2012年9月3日 12:45 | 約8分で読めます
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「くまのコールテンくん」-ドン=フリーマン さく まつおかきょうこ やく
3、4歳~

あまりに定番な絵本かもれしませんが、やはり大好きな絵本なので、知らない方の為にもご紹介させていただくことにしました。

 

ここは、デパートのおもちゃうりば。ぬいぐるみのくまのコールテンくんは、だれかが自分を買いにきてくれるのを、いまか、今かと待っています。

あるひ、リサという女の子がコールテンくんを気に入りますが、ズボンのボタンがとれているからとお母さんに反対されます。

その夜、コールテンくんはデパート中をボタンを探しにでかけます。

やっと見つけたと思ったボタンですが・・・警備員のおじさんに見つかって、ぬいぐるみ売り場に戻されてしまいます。

次の日、目をさましたコールテンくんを待っていたのは、女の子のリサでした!

派手な展開はありませんが、二人の表情、しぐさ、言葉の一言一言に、心の動きを感じ、おおげさかもしれませんが、良い映画を見たような気分になります。

コールテンくんの屈託のない純粋な心と、リサの優しさとお互いを想う愛情あふれる作品です。

 

この絵本はタイトルにもあるように、主人公はくまのぬいぐるみ、コールテンくんです。

彼は、言われるまでズボンのボタンが取れていることに気づいていませんでした。

そしてボタンを探しに行く時もエスカレーターを山だと思ったり、家具売り場を御殿だと思ったりしますが、その度に「山にのぼってみたかったんだ、御殿に住みたいと思ってたんだ。」と何とも前向きな?のんきな彼の性格が垣間見える、かわいらしい発言を繰り返します。そして彼の「ぼくずっと○○してみたいなあって思ってたんだ。」というセリフから、おもちゃ売り場という小さな世界で、まだ見ぬ世界に想像力をふくらませていたんだなあとこちらも想像をふくらましてしまうのは深読みでしょうか。前半はこのコールテンくんの言動に読み手の私たちも、彼のとりこになってしまうのです。

リサは、そんな彼の言動を知る由もありませんが、謂わばコールテンくんにひと目ぼれ。

初対面の相手でも、理屈でなく、この人好きだなあ!友達になれそうだな!っていうことがありますが、リサもコールテンくんにそういうものを感じたのかもしれませんね。

さて、この絵本ではもう一人の主人公、リサという女の子がとにかく素晴らしいのです。

次の日、コールテンくんを買いにきたリサは、店員に「箱にいれますか」と聞かれて「いいの」とコールテンくんを抱えて帰るシーンがあります。そしてアパートの階段を上がる時も、コールテンくんを正面に向けて、彼がその道を見えるように抱えています。このシーンからもリサにとって、もはやただのぬいぐるみではないことがわかります。

リサの部屋につくと、そこにはコールテンくん用の小さなベッド。部屋を見せてあげる時のコールテンくんに添えられた、リサの手とまなざしにもとても愛情を感じます。

そして何より、ボタンをつけてあげる時に「このままでも好きだけど、ひもがずりおちてくるのは気持ち悪いでしょ」というセリフ!なんて優しいのでしょう!

相手のことを、きちんと思いやっていないと出てこないセリフです。

そんなリサの愛情を素直に受け取って、最後にいうコールテンくんのセリフに今回、じっくり読み返してみたところ、思わずジーンと涙がでてきそうでした。

そのセリフは是非、絵本で!

コールテンくんを読んでいたころ、私も同じくらいの大きさのくまのぬいぐるみを誕生日かクリスマスに買ってもらいました。これ、実はおしゃべりするくまだったのです。

お尻にジップ付きの穴があいていて、そこに四角いトランシーバーのような機械を入れて、くまに向かって話しかけるのです。そうするとオウム返しに話してくるかなんだかで、その名も「おしゃべりくまさんゆうたろう」だったと思います。

今思うとお尻の穴を開けてというのが申し訳ない気がしますが・・・。

その機械もいつのまにかなくなってしまいましたが、今でも彼は、屋根裏の棚に私の幼稚園時代のベレー帽を被って鎮座しています。

不思議とその機械でおしゃべりして遊んだ記憶よりも、そのくまが、大好きで遊んでいた記憶のほうがはるかにあるのです。唯一、捨てられないぬいぐるみです。

心の動きがある絵本は、何度も何度も読みたくなる、長く読み継がれる絵本だとよく言われましたが、まさにこれは、そういう絵本であり、そのような絵本は、子ども時代の豊かな、幸せな記憶を呼び覚まし、それが大人になった私たちを支えてくれることもあるのです。その時だけのものではない。絵本の意義のひとつかもしれませんね。

 

★ くまが出てくるおすすめ絵本 ★

「くんちゃんのだいりょこう」― ドロシー・マリノ著 石井桃子訳
愛らしい小熊が主人公。思わずくすっと笑っちゃいます。

「3びきのくま」-トルストイ原作の名作。
いろいろな方が描いていますがおすすめはパスネツオフ絵のこちら。

「二ひきのこぐま」イーラ著 まつおかきょうこ訳
女流動物写真家イーラのモノクロ写真絵本です。よくできてます!

「たのしいふゆごもり」―片山健 絵・片山玲子 文
美しい挿絵とあたたかみのある文で大好きな1冊。

「しろくまちゃんのほっとけーき」-わかやまけん作
文句なしの定番ですね。ああ、ほっとけーきがたべたい・・・。

「くまの子ウーフ」神沢利子・作 井上洋介・絵
童話です。2012年9月23日(日)まで鎌倉文学館で「神沢利子の世界」展やってます。
http://www.kamakurabungaku.com/exhibition/index.html

NPO法人セカンドブックアーチ

NPO法人セカンドブックアーチについて

読まなくなった不要な本、またはもう読まないけれど捨てられない大切な本を地域のために役立てたいとの思いから、2007年より茅ヶ崎にて活動を開始。本をこよなく愛するスタッフで構成されており、本というものは読み終わった後に捨ててしまう、売ってしまうといった、たんなる消費物ではないと信じて活動しています。
寄付可能な本は、児童書・単行本・古書・各種参考書など様々。詳しくはホームページをご覧ください。

ホームページ:http://www.npo-sba.com

Filed in: あの子の絵本箱

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文:

1978年生まれ。茅ヶ崎に育つ。 大学時代に死生学に興味を持つ。セツ・モードセミナー卒業。 パレットクラブ絵本コース卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」「チャブックス」に参加。 2005年より、個展等にて作品を発表。第7回逗子市手作り絵本コンクール「優秀賞」受賞。 『てがみぼうやのゆくところ』にて、第35回講談社絵本新人賞受賞。本作がデビュー作となる。 加藤晶子ホームページ「アトリエメクル」 http://atelier-mekuru.com 「てがみぼうやのゆくところ」加藤晶子作 講談社 定価1300円(税別) 書店、amazon等にて販売中

このページに関するつぶやき(3ツイート

  1. 【プレゼントあり!】FuBoLaboちがさき「えほんをめくろう♪」のコーナーを更新しました。今回ご紹介する絵本はドン=フリーマン著、まつおかきょうこ訳、「くまのコールテンくん」です。

    http://t.co/3wXsMxvH

  2. 今月(3回目)のaki絵本レビュー、掲載されてます♩http://t.co/5iovWg21

  3. 【絵本プレゼント】茅ヶ崎在住の絵本作家aki(加藤晶子さん)による、ドン=フリーテン作、まつおかきょうこ訳「くまのコールテンくん」のレビューです。
    もちろん今月のプレゼントになっていますよ!

    http://t.co/vfyqEyYi

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